アグリファンド石川とは
アグリファンド石川とは

アグリファンド石川とは

アグリファンド石川は豊かな社会の実現のため、
優しさをもって、有志と共に持続可能な農業を追求する

アグリファンド石川は石川県内で活躍する個性ある有志の農家が集まった団体です。
総合資金借入農家の農業経営・相互研究の場とし「総合資金友の会」、通称「借金友の会」が昭和1977年に設立されました。補助金に頼らず自立した経営を行うため、栽培・マーケティング・6次化と時代に先駆けた研修を行ってきました。また事務局が金融機関のJA石川信連ということもあり、当初から「金融」に関する研修が盛んに行われています。
2017年の40周年を機に、それまでの自立した経営を目指す情報収集の場に加え、情報発信や共有する場にするため、プロジェクトチームを作り農業経営の課題解決や研究に取り組んでいます。

アグリファンド石川の概要

設立 昭和52年10月29日
経緯

昭和52年10月 竹本 平一氏(旧:寺井町)を初代会長に、農林公庫総合施設資金借入者を会員として組織する「石川県総合資金友の会」を設立。

昭和62年3月 設立10周年記念大会を山中温泉 ホテル翠明で挙行。併せて、石川県総合資金友の会十年史「飛躍」を発刊。(会長 戸水 稔夫 氏(金沢市))

平成6年3月 農林公庫総合施設資金が廃止されスーパーL資金が創設されたのを機に現「アグリファンド石川」に改称。

平成10年2月 アグリファンド石川20周年記念大会 20周年記念誌「味人めぐり」発刊披露を金沢全日空ホテルで挙行。(会長 本 昌康 氏(金沢市))

平成19年10月 設立30周年を迎える。

平成20年2月 アグリファンド石川30周年記念大会 30周年記念誌「農育人」発刊披露を(能登半島地震による復興を祈念し)和倉温泉 加賀屋で挙行。(会長 林 浩陽 氏(旧:野々市町))

平成30年2月 アグリファンド石川40周年記念大会をホテル金沢にて挙行。(会長 軽部 英俊 氏(白山市))

目的 農業生産の中核的担い手となる体質の強い自立経営農家を育成するため、真の農業経営者をめざす会員相互の研鑚と親睦をはかり、併せて農家経営の安定向上を目指すとともに、豊かな社会の実現のため、優しさをもって、有志と共に持続可能な農業を追求する。
会員資格 農林公庫資金を過去、または現在利用している者、将来利用せんとする者で、自主的参加とする。(実質、前向きに農業に取組む農業者であれば、全て入会が可能。)
会員数 86名(会員の営農類型は、稲作農業者が中心ですが、畜産、施設園芸、野菜、果樹、きのこ、農産加工等 多岐にわたる)※平成30年9月末現在
会長 竹本 彰吾
(有限会社たけもと農場代表取締役社長 URL:http://www.okomelove.com
事務局 石川県信用農業協同組合連合会 農業金融センター内
TEL:076-240-5153
FAX:076-240-5105
愛知研修

工場研修

設立総会

設立総会

歴代会長

アグリファンド石川を成長させた会長たち

歴代会長インタビュー

4代目会長 本 昌康

1994年〜2002年 4代会長

本 昌康

経歴
株式会社ぶどうの木
本葡萄園
代表取締役

アグリファンド石川

アグリファンド石川での思い出は?

みんなで由布院の「亀の井別荘」に視察に行った時に印象的なエピソードがあります。
亀の井別荘を継いだ中谷健太郎さんにお会いすることができたのですがその際に「加賀野菜はどうやってつくったんですか?」と聞かれたんです。

「由布院は別府の裏側にあります。別府温泉に泊まって、別府湾の魚を前の晩お客様は食べている。わたしたちは何を出したら良いのだ、という時に、この由布院の地で採れたものを出すしか無い。肉、野菜…と考えた時に、野菜として名の売れたものは、京野菜と加賀野菜です。加賀野菜っていうのは、どう仕掛けられたのか教えてください。」

その時につくづくわかったのは、まず1つには加賀野菜というブランドがすごく評価されていること。2つめにはその地方その地方で心の底から特産品を欲していることでした。
由布院に訪れるような都会のお金持ちをおもてなしするのはフォアグラやステーキなど豪華なものではない。そんなものは食べ飽きている。その土地で採れた素朴なもの、特産品こそが一番のおもてなしなのです。この「感性」を感じ取る力があるかどうか。古いもの、素朴なもの、その土地にしかないものに価値がある、ということに気づいて、ものづくりに活かせる「感性」があるかかどうかなのです。一番贅沢をしたと思うけど、きっと感じ取った人は感じ取った。そのような「感性」を学ぶ、またとない機会に恵まれた視察だったと思う。

本 昌康

アグリファンド石川

会長としてどのようなことに取り組んでいましたか?

僕は大事にしたのは経営者、トップに会うことです。農業者から商業者への変化が必要だった。 だから「アグリファンドサロン」を作った。「アグリファンドサロン」で話を聞けば少しでも自分の事業をのばす勉強になる。例えば近江八幡にある「たねや」に行った時もそうでした。「訪問してトップに会いたい」とお願いして、先代社長にお会いすることができた。

アグリファンド石川の会員は、借金をどう返すのかがテーマ。その為に寝ても覚めてもどう返すか知恵を絞っている その時に今まで通りのことをしてて返せるはずはない。借金はエネルギーになる。若者のスタートとしては良いと思う。借金を返すために知恵を絞るんです。

本 昌康

アグリファンド石川

本さんにとってアグリファンド石川とは?

石川の農業の仲間を作ってくれた。
レベルの高いちょっと変わった仲間だった。そのネットワークを上手に使えた。パーティーを自分で主催しても、人脈を生かして石川の面白い農業人を呼ぶことができたんです。

本 昌康

5代目会長 林 浩陽

2002年〜2008年 5代会長

林 浩陽

経歴
株式会社林農産 代表取締役社長

アグリファンド石川

会長としてどのようなことに取り組んでいましたか?

私が会長を務めた時代は、IT化し、農業界は法人化しはじめ、観光農業(レストラン等)と販売の形態が著しく変わっていった時期でした。IT・ネットが発達しだしたので、そこを加味したマーケティングの勉強に取り組んでいました。

本会長の時代は異業種の経営者から学んでいたのですが、そんな時代背景から少し趣向を変えて直接自分たちの農業に精通した講師を呼んでいました。マーケティングの講師に講演していただいたり、農家レストランをやっている方の話を聞きに行ったり、観光農業をやっている農家への視察に行きました。

林 浩陽

アグリファンド石川

アグリファンド石川での思い出は?

30周年記念誌を作ることになったのですが、「農業の現場からの食育発信」これが私の考えたアグリファンド石川の30周年記念誌のコンセプトでした。そこで、食育の大本山、東京・服部栄養専門学校の服部幸應(はっとりゆきお)校長に話を聞きに行きました。話を聞くため服部先生宛にせっせと手紙を書いたのですが、全然返事が来ない。

そこで、東京農大で服部先生の講演会があると聞いてアポなしで直接会いに行き、講堂で直接交渉をして、なんとか取材の約束を取ることができたのです。

志で食育を10年前からやっていたけど、服部先生とのインタビューをきっかけに より明確に日本農業に必要だなと思いはじめ、よりパワーアップしていった。 これをきっかけに、お餅のヘルメットやツナギを着て食育を広める活動をするようになったのです。

林 浩陽

アグリファンド石川

林前会長にとって、アグリファンド石川とは?

アグリファンド石川とは経営の道に誘ってくれた登竜門。百姓のあんちゃんを経営者にしてくれました。

林 浩陽

6代目会長 井村 辰二郎

2008年〜2013年 6代会長

井村 辰二郎

経歴
株式会社金沢大地
アジア農業株式会社
株式会社金沢ワイナリー
代表取締役

アグリファンド石川

アグリファンド石川に入ったきっかけは?

新規就農をした時に父親から「金融は経営にとって大切だから」とアグリファンド石川に真っ先に顔を出せと言ってくれたのがきっかけです。

ぶどうの木の本会長がリーダーシップをとっておられ、「味人めぐり」という20周年誌をまとめる手伝いをさせていただく中で、多くの先輩方から色々な事を学ばせていただきました。

井村 辰二郎

アグリファンド石川

会長としてどのようなことに取り組んでいましたか?

わたしが会長をしていた4年間は、リーマンショックがあったときで、社会に元気が無く、あまり景気の良い時期ではありませんでした。優秀な事務局スタッフの方々に支えて頂いておりましたが、持続可能な組織である為には、さらにコンパクトな組織にするべきだと考えました。例えば、ハガキでやり取りしていた出欠をメールに変えたり、慶弔の規約を作ったり、事務局の稼働や経費を削減し、バックヤードをコンパクトに改善しました。

また、2011年東日本大震災の際に、アグリファンドでボランティアに行けたのが思い出・貴重な経験になりましたね。JAグループのネットワークやコーディネートのお力もお借りして、迅速に、被害にあわれた農家さんのところに、直接お手伝いに行かせて頂き、お話を伺えたことが良かったと思います。実は、その時に行った視察先で学んだことが本年立ち上げた金沢ワイナリー設立のきっかけにもなっています。

そして、当時は農業者だけで活動する事が多かったのですが、新しい試みとして、行政や実需の方々等を招いて、石川県の農業を考えるパネル・ディスカッションを開き、110人位の方々に集まっていただいた事が印象に残っていますね。

井村 辰二郎

アグリファンド石川

井村前会長にとってアグリファンド石川とは?

「光」かな。経営の先を見るうえで、すべてをポジティブに導いてくれる光。輝きとまでいったら大げさかな。

この会の良さは多様な経営体が、お互いの足をひっぱったり批判するのではなく、お互いにリスペクトしながら研鑚してゆけるところ。若い頃からみんなで一緒に研修に行ったり、コミュニケーションを取っている事も有り、風通しが良く、大先輩とも話しやすい雰囲気があります。法人協会と違って家族経営の方も気軽に入れることも良いところですね。

また、事務局運営を石川県信連さんにご支援頂いており、地域の農業や会員の経営環境をよく理解して、良いアドバイスも頂いております。また、アグリファンド石川の活動や伝統は、全国でも有名です。石川県の農業者にとって、この会があることはすごく意義がある事だと、誇りに思っております。

井村 辰二郎

7代目会長 軽部 英俊

2013年〜2018年 7代会長

軽部 英俊

経歴
株式会社六星 代表取締役社長

アグリファンド石川

会長としてどのようなことに取り組んでいましたか?

立ち上げの時から比べると会の求心力・熱量が下がっているように感じていました。主たる活動が講演会をする「アグリファンドサロン」と、研修旅行に行くくらいになってしまっていた。

講演会は成功した人の話を聞いてなんとなく「良い話を聞いたな」と思うだけで勉強した気になり、身につかないこともあります。ワークショップを組み合わせた講演会を行い、自分のビジネスに落とし込める仕組みを作りたいと考えていました。
※1:後にフューチャーセッションという形で実現

世間から見た時に農家の地位が低いことを課題にも感じていました。農業家が「農繁期で忙しい」「田植えで忙しい」などと言って、時間にルーズ、オフィシャルな場にもツナギで行くなど、他の人から農家がどう見られているかという意識が低い、自らが低く見られることをしているところがあると感じていました。

自身のJCや他団体での経験を元に、農業の地位を上げないといけない、アグリファンドの魅力も上げないといけない、会としての魅力を探り、もっと尖った会にしよう、そういった事を常に考えていました。

軽部 英俊

※1フューチャーセッション(Future Session)
社会課題や産業・業界の課題をその当事者や専門家だけで話し合うのではなく、業界や企業の垣根を越えて、多様な立場の人と問題の本質を掘り下げ、深く、自由に対話し、未来に向けた課題解決につながる答えを紡いでいく場。
2017年に、アグリファンド石川でもワークショップ型の研修「フューチャーセッション」が実現しました。外部の講師を招いて4,5人のグループに分かれ、石川県農業のあるべき姿をテーマに研修を行い、軽部さんの想いは実現しました。

アグリファンド石川

軽部前会長にとってアグリファンド石川とは?

悩みのタネでした(笑)

竹本会長の立ち上げから掲載された「10年史」を見てすごいなと思いました。総会資料や農家1人ずつ寄稿もしていて、その情熱に触れて、40年の歴史のある大切な会だと気付かされた。

アグリファンドは金融機関が事務局をしているのが強味です。他の農業団体では学べない金融の事が学べる所が特徴です。農業色がそこまで強くなく、上部組織が無い、みんなで集まって力つけられる自由度の高い会です。

軽部 英俊

アグリファンド石川

次の世代へのメッセージを教えてください。

アグリファンド石川は、もともと自らが考え、自立するという考えで、当時から先進的な事をしてきた。だから枠にとらわれず、若いメンバーの価値観を大切に、ぶっ飛んだ事をしてほしいです。

軽部 英俊

主な活動 通常総会 年1回
役員会 年数回
例会 年数回

その他
石川県信用農業協同組合連合会が事務局となっている異業種団体「翼信会」との合同視察研修
会員間のコミュニケーションを通じた気づき・学びの促進、情報共有を促す取組として、会員が抱える経営課題解決に向けた活動
視察研修

◆平成27年11月(県内)
  (株)芝寿し、(株)ヤマト醤油味噌を視察

◆平成28年11月(東京)
  築地市場、福島屋六本木店、横浜港野菜倉庫等を視察し、食の流通の現状について視察を行った。
サロン

◆平成26年6月 第41回アグリファンドサロン
  ・ゲスト 河内 昭彦 氏(特定社会保険労務士)
   テーマ 「安全配慮面からみた人材管理のすすめ」

◆平成26年12月 第42回アグリファンドサロン
  ・ゲスト 手嶋 龍一 氏(外交ジャーナリスト、作家)
   テーマ 「アジア半球の時代と日本の針路~地方創生の牽引力・石川を考える~」

◆平成27年2月 第38回通常総会基調講演 たがわ龍泉閣
  ・ゲスト 中村 太郎 氏(石川県酒造組合連合会 会長)
   テーマ 「石川県酒造組合連合会の取組みについて」

◆平成27年6月 第43回アグリファンドサロン
  ・ゲスト 村尾 実 氏(中部経営・辻・本郷税理士法人理事長 税理士)
   テーマ 「他業種のコンサルを通じて ~農業経営者への提言~ 」

◆平成27年12月 第44回アグリファンドサロン
  ・ゲスト 宇都宮 恒久 氏(中央タクシー株式会社 代表取締役会長)
   テーマ 「お客様が感動し、社員が躍動する会社づくり」

◆平成28年2月 第39回通常総会基調講演 テルメ金沢
  ・ゲスト 山本 誠一 氏(里山のオーベルジュ 薪の音 代表)
   テーマ 「お客様にとどけたいもの・ことを明確に」

◆平成28年12月 第45回アグリファンドサロン
  ・ゲスト 吉田 忠則 氏(日本経済新聞社 編集委員)
   テーマ 「ニッポン農業生き残りのヒント ~コメをやめる勇気~」

◆平成29年2月 第40回通常総会基調講演 山代温泉 宝生亭
  ・ゲスト 帽子山 宗 氏(㈱宝仙閣 専務取締役)
   テーマ 「マイナスからの旅館再生」
その他の活動

平成28年6月~7月 アグリファンド石川財務勉強会
  ・内 容 簿記の基本、決算書、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、財務分析、グループワーク

平成29年7月~12月 アグリファンド石川例会
  ・内 容 金沢工業大学産学連携局との共催により、「10年後の農業・農業経営者のあるべき姿」をテーマとしたフューチャーセッションを開催

平成30年2月 石川県信用農業協同組合連合会が事務局となっている異業種団体「翼信会」との合同視察研修を開催し、(株)河内物産、(株)六星を視察。

平成30年11月 異業種団体「翼信会」との第回合同視察研修を開催し、(株)ヤギファッション、㈲たけもと農場を視察。

平成30年10月~ 会員の抱える経営課題解決に向けたプロジェクトチーム活動を実施。

農家の事業承継

農家の事業承継ってなに?

「親子間問題の解決による生産性向上」をテーマに行った活動を紹介。実際に事業承継に直面した農家のリアルな話をインタビューしました。